『プルーストによる人生改善法』を読んだ。
まだ半分ほどしか読めていないが、これは名著だ。
自分にとっては、非常に価値のある本である。
プルーストの小説『失われた時を求めて』を読むことで、何が得られるか。
それがよくわかった。どのように読めばいいのか。それもわかった。
1 自分のために読む。
芸術作品の中に自分の知っている人を探す。自分の知っている事柄、感覚を探し出す。
そして芸術作品から自分自身を読み取っていくのだ。
この考え、すごく納得がいった。
プルーストの小説の中にも、自分の知っている人物がたくさん見つかる。
自分が経験したものであるが、うまく言い表せなかった感覚が、プルーストによって見事に描写されている。それらを読み味わうことで、自分自身を読んでいくことになる。
2 時間をかける。
あせらず、ゆっくり読み進めることで初めて見えてくるものがある。
あせって飛ばし読みで一気につかむ。これでは見落としているものがたくさんある。
全14巻の小説をじっくり、時間をかけて、生涯をかけて読みこんでいきたい。
3 上手に苦しむ。
自分自身の苦しみを上手に味わう。そこから突破口を見出す。人のせいにしたり、苦しみをごまかすことでは、精神を鍛えることはできない。
プルーストのこの言葉がいい。
「精神をたくましくするのは哀しみである。」
自分自身も、人生の中でたくさんの哀しみを味わってきた。
悔しさも怒りも味わってきた。
そこから、自分自身の精神を鍛え、次への道を切り開いてきたのだ。
プルーストから「上手に苦しむ」方法を学び取っていきたい。