『上達論』甲野善紀、方条遼雨 を読んだ。
武道、武術の上達についての本であるが、教師の技量を上達させていくためのヒントもたくさんあった。
一番、心に響いたのは以下の部分である。
この「実験」という要素は、「根本原理の組み替え」や「上達」にとって、最重要とも言える条件の一つです。
なぜなら「稽古」とは、
「全ての行為をいかに実験できるか」
が鍵だからです。
「実験」とは、毎回「新しい事」を試す行為です。
つまり、常に「新しい情報」が流入してきます。
漫然とした「繰り返し」と比べ、得られる「情報」の量が桁違いなのです。
なので、「上達上手」は「実験上手」です。
あれこれ試してみること。
これが実験だ。
あれこれ実験して試してみると、うまくいくこともあれば、失敗することもある。
その全ての情報が貴重なのである。
自分であれこれ工夫してみる。
少し変えてやってみる。
新たなことに挑戦してみる。
これは大きなことでなくてもよい。小さな部分で日々実験を繰り返す。
そこから情報を読み解き、自分の上達へとつなげていくのだ。
教師道を極める上で参考になる一冊である。