『孫子〜勝つために何をすべきか〜』谷沢永一・渡部昇一 は私の愛読書の一つである。機会があるごとに読み返している。
先日の敗北を受けて、再度読み返した。
このような作業が自分を強くしてくれる。
敗北は勝利にもまして将軍を鍛え上げる。@『自助論』より
なぜ負けたのか。どうすればよかったのか。次からどうするか。今からどういう戦略を練っていくか。一つ一つを自分の頭で考え、ノートに書き出し、実行していく。そうやって一つ一つ学んでいくことが大事なのだ。
『孫子〜勝つために何をすべきか〜』で好きな一節がある。
人生というものは、どんなときでも勝負です。
人生はだれがなんと言おうとも、競争によって成り立っています。競争に敗れれば、その人の人生はみすぼらしいものになります。その競争に勝つための方法を、『孫子』は幾重にも言い換えて論じています。
『孫子』をもとに今回の敗因を考える。
まず第一にずるさが足りなかった。
「兵は詭道なり」とあるように、ずるさ、変化球が足りていない。もっと戦略をねってずるく、したたかに戦う必要があった。正面突破、豪速球でくだけちりホームランを打たれた感じだった。
第二に、勝てないところで戦ってしまった。
いくらこちらに理があったとしても、相手が否といえば、こちらに勝ち目はない。決定権はトップにあるのだから。
一教諭の自分がいくらがんばったところで所詮負けるのは目に見えている。
もっと戦い方を工夫しなければ駄目だ。
自分の勝てるところでのみ戦う。
自分の勝てないところでは戦わない。逃げる。避ける。耐え忍ぶ。
自分の勝てるところはどこか。
・定時退勤
・授業の進め方→向山型の追究
・体づくり(筋トレ、ジョッグ、断食・断酒)
・楽器を楽しむ。(ギター・ピアノ・ウクレレ)
・学び続ける。
・読書とノート
自分の勝てないところは・・・・
・提案の決定権
・人事
・ブラックな働き方(長時間残業の同僚との戦い)
・出世
このように、自分の勝てないところをしっかりと把握して、自分の勝てるところだけ戦っていく。あとは淡々と仕事を進める。自分の与えられた場で努力を続ける。
こういう生き方をしていく。
「彼を知り、己を知らば、百戦して危うからず。」である。
しっかりと自分の限界を知っておくことが必要だ。
今回の戦いは自分の勝てないところで戦ってしまった。当然負ける。非常に勉強になった。次へと活かせる教訓だ。
『孫子〜勝つために何をすべきか〜』は、エピローグもとってもいい。自分の心に響く文章がある。
そもそも古典というものは、その古典を丸ごといただくという場合もないことはないが、それはやはり珍しい例で、そこに書かれているエッセンスが重要なのです。
(中略)
試されている立場から古典を選ぶということは、思いっきりより好みをして読んでもいいということで、単なる教養としての読書にはない、新しい本との向き合い方をさせてくれる、それが古典なるものの根本だと思います。
『孫子』にはもうひとつ、「戦うな」という大きなテーマがあります。
戦わずして勝つことを考える。これもまた、人生の場面での根本の原理原則なのです。
戦わずして勝つ。この技を自分も身につけていこう。